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 石原東京都知事の

  テロ容認発言に抗議する声明

 9月10日早朝、外務省の田中均外務審議官自宅に、「国賊征伐隊」を名乗る者によって爆発物が仕掛けられた。このことについて、石原東京都知事は、その日の自民党総裁選挙応援街頭演説の中で「田中均というやつ、今度爆弾仕掛けられて、あったり前の話だ。」と発言した。この発言に対しては、マスコミ、民主団体はもとより、政府・与党関係者からも、テロを容認する不穏当な発言として批判が相次ぐことになった。
 釈明を求められた知事は、12日の定例記者会見で「こういう混乱になって非常に遺憾」「爆弾を仕掛けたのが良いわけがない。」とした上で、「ああいう出来事が当然の結果として起こった。」「国民の不満であり、不安であり怒りだ。」「ありえてむべなるかな。」「撤回じゃない、私の本意を説明した。」「こういう機会でもなければ彼は反省しない。」などと語り、「テロの背景にある心情は正当」という彼の自説を繰り返し強調した。都庁に寄せられた都民の電話は、およそ半数が知事発言を支持するものだったと報道されている。
 石原都知事による「三国人」発言の時に、私たちは多くの在日外国人労働者が職場から追われるという事態に直面した。「朝鮮と戦争する」と発言した時には、在日朝鮮人学校に通う子どもたちがいじめや嫌がらせにあうことになった。当代一の「人気者」として権力の座に君臨する石原都知事の発言は、残念ながら社会に充満する閉塞感への「はけ口」を用意し、そのたびに社会的弱者に対する排斥を誘発してきた。そのことを彼は知らなければならないし、知っているはずである。彼の発言は、その意味で、テロを容認したのではなく、教唆したものと断言しなければならない。
 かつてこの国では、「正義」を装ったテロリズムが繰り返し社会を震撼させた。5.15事件あるいは2.26事件と呼ばれるこれらのテロは、農民の窮乏と政治の腐敗に対する青年将校らの「義憤」を背景にしたと言われている。しかしその結果としてこの国が進んでいった歴史は、言論に基づく政治の完全な否定であり、その先には軍部の膨張があり、間もなく侵略戦争への道が開かれていった。
 2001年9月11日の同時多発テロの時も、その背景に、アメリカの多国籍企業による収奪によって加速される開発途上国の絶望的な貧困があると言われた。テロ発生直後に、アラブ諸国を中心にテロを歓迎する世論が沸き起こったことが報道された。しかし、良識ある全世界の世論は、いかなる理由があれテロに反対し、同時に、テロ撲滅を口実とした報復戦争にも反対し行動してきた。世界の共通認識は、憎悪の連鎖を断ち切り、あくまで平和的プロセスによって対立を克服する方向に向かっていると私たちは確信する。
 石原発言は、こうした全世界の良識にひとり背を向けるものである。石原都知事は直ちに発言を撤回、謝罪し、そして都知事の座を辞すべきである。私たちは、憎悪を煽りテロをそそのかす石原都知事を絶対に許さない。

  2003年9月17日                                                         東京全労協常任幹事会




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